配置のおこり
現在製薬業が盛んな甲賀町の配置売薬のおこりは以下のように記されています。
「江戸末期に大字滝で渡辺太助が農閑期の副業として売薬を営み、近隣の需要に応じていましたが、次いで同じ滝の渡辺詮吾が売薬の将来性に着目し、慶応元年 (1865) 僅か19歳で岡山県北部に行商、その後当時の 「テリアカ」 の処方の伝授を受けて製造販売しました。これが油日売薬の起こりです。」 (甲賀町史)
会社としての製薬業
会社組織としては、明治24年の近江製剤株式会社 (共同製剤所、竜法師) をかわぎりに、油日に売薬神農会 (明治25年) 、近江売薬株式会社 (明治32年) 湖東売薬株式会社 (明治35年) 、紳農売薬株式会社 (明治45年) 、大原製剤合資会社 (大原) が設立され、明治大正期には大きく進展しました。
塩野義製薬(シオノギ)は、昭和21年(1946)に油日農場を開設しておられますから、戦後まもなくです。
会社の出入りがありますが、甲賀市には13〜14社の製薬会社があります。塩野義さん以降も滋賀県へ製薬メーカーの工場進出が続いたのは、もともと甲賀や日野に薬の伝統があって、戦前から薬産業を振興していくための基盤なり組織なりが、他の地域よりもしっかりしていたからだといえます。
明治時代半ばには、個人営業間の競争による乱売なども起こりますが、やがて組合もつくられ、近代的な製薬業としての形が整えられていきます。明治32年(1899)には、甲賀郡に初めて薬を製造販売する株式会社ができました。大正3年(1914)に制定された「売薬法」によって、資格のない個人による調剤が禁止されると、家内工業的にやっていたところでも、薬剤師を雇い入れた共同製剤所などで製薬するようになります。
甲賀市の製薬会社
企業名 | 住所 | 電話番号 |
近江製薬株式会社 | 滋賀県甲賀市甲賀町田堵野935 | 0748-88-2120 |
大原薬品工業株式会社 | 滋賀県甲賀市甲賀町鳥居野121-15 | 0748-88-2200 |
キョーリン製薬グループ工場株式会社(滋賀工場) | 滋賀県甲賀市水口町笹が丘1番地4 | 0748-62-7111 |
塩野義製薬株式会社(油日研究センター) | 滋賀県甲賀市甲賀町五反田1405番地 | 0748-88-3281 |
滋賀県製薬株式会社 | 滋賀県甲賀市甲賀町滝879 | 0748-88-3180 |
昭和化学工業株式会社 | 滋賀県甲賀市甲賀町大原市場157-9 | 0748-88-2174 |
ジェイドルフ製薬株式会社 | 滋賀県甲賀市土山町北土山2739-1 | 0748-66-1001 |
大昭製薬株式会社 | 滋賀県甲賀市甲賀町大原市場168 | 0748-88-4181 |
日新製薬株式会社 | 滋賀県甲賀市水口町宮の前2-62 | 0748-62-4161 |
日新薬品工業株式会社 | 滋賀県甲賀市甲賀町田堵野80-1 | 0748-88-4156 |